悩み事には、いくつかのパターンがあります。今回はいくつもの選択肢がある場合について考えてみましょう。
選択肢が多くても、ある選択肢に決め手があれば迷いません。例えばそれぞれの選択肢に点数をつけてみた場合、Aが80点でBが20点ならば、おそらく誰も悩まないと思います。悩み事になっているのですから、おそらくAが55点でBが45点というような接戦であるのでしょう。
普通は55点か45点のどちらかを選ぶ必要があるといわれると、誰でも55点を選びます。でもそれが難しいのはなぜでしょうか。一つはしっかり点数化ができていない事、もう一つは捨てる覚悟ができていないことです。
ある選択肢に決め手があれば、わざわざ点数化をしなくても、頭の中で決定することはできます。しかしいくつかの選択肢が接戦である場合は、頭の中だけで考えていては混乱します。脳は記憶力としてはいいのですが、意外と処理能力は低いと思ってください。また感情に左右されることもよくあります。世の中にはいろいろ不可解な事件が起こっていますが、感情をコントロールできず、最悪の選択肢を選んでしまっていることがあります。
そこで、それぞれの選択肢について、プラス面とマイナス面を思いつく限り書き出してみましょう。そして、プラスマイナスに点数をつけてください。数字ではなくて、大きさで表現してもいいです。大事だなと思う点であれば、大きな丸を書けば分かりやすいと思います。
ここでのポイントは、書き出す前に躊躇して止めないことです。こんなことはどうでもいい事だからと判断せず、とりあえず書き出すことです。その上で書き出した点数をよく見てください。客観的に判断したいので、ゆっくり呼吸をして、落ち着いて始めてください。感情を落ち着かせないといい判断ができなくなります。
点数化ができても、中々決断できないことがあります。本来なら捨てなくてはいけない選択肢に対する執着があるときです。
片づけをしている時、長年着ていない服なのに、「あの時高いお金を払ったから」とか、「ひょっとしたらまた着る気持ちになるかもしれない」という感情が邪魔をすることがあります。ここで大事なのは、捨てる勇気を持つことです。55点の選択と45点の選択を、同時に持てないから悩むのです。同時に持てるのなら、最初から悩まないでしょう。
この状況では、「自分のベストの選択は55点だ」と、しっかり認識することです。それは同時に「100 点は無理。45 点は捨てる。」と割り切るということです。大袈裟ですが、この覚悟ができると気持ちは楽になります。
一日の予定にしても同様です。1日は24時間しかありません。その中でスケジュールを作っていくしかないのです。何をするかを決めるということは、同時に何をしないかを決める事でもあるのです。