パワーハラスメント③

パワーハラスメントはよくありません。しかし、パワーハラスメントを恐れて、部下を指導できないというのも問題です。最近は叱れない上司が多くなっているともいわれます。大切なのは、指導することとパワーハラスメントは別物ということです。ただ間違った指導方法は、パワーハラスメントにつながります。

 

熱心に指導したにもかかわらず、部下がその期待を裏切ったときなど、「怒り」が出現します。この「怒り」という感情は非常にエネルギーが高く、冷静な思考をのっとり、自分自身を見失ってしまいます。そうならないように、「怒りのコントロール」が大切になります。怒りをコントロールするために、次のようなことに気を付けてみましょう。

 

① 叱る前に一呼吸おく

呼吸を整えると、感情は落ち着きやすくなります。一方、怒りを爆発させるときは、一瞬息を止めているはずです。怒りのエネルギーを逃がすように、息をゆっくり吐いてみましょう。

 

② 指導が必要な具体的な行動に焦点をあて、性格の非難や人格の否定をしない

怒りに支配されると、相手にダメージを与えることが目的となります。その際は、相手の性格・人格を否定してしまいます。そうすると、相手は落ち込みやすくなるからです。もし大切な約束を忘れたのなら、忘れたことでどれだけの悪影響があるのか、どうすれば忘れないようになるのかという行動面へのアプローチをすべきです。怒りに支配されると、「うっかりもの」「だらしない」「ばか」「いい加減な人間」というような言葉になりがちです。

 

③ 指導が部下にどう伝わったか確認する(叱りっぱなしにしない)

叱りっぱなしにしないで、その後のフォローも大切です。そうすることで、叱った意味が伝わります。成長を促すために叱っているのですから、成長を確認する作業が必要だと思ってください。