パワーハラスメントには、どのような行為があるのでしょうか。まずは、具体例を挙げながら、みてみましょう(厚労省 職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告を参照)。
殴る・蹴るというような暴行から、ポスターを丸めて頭をたたくといった行動などを言います。長時間の正座などもそうでしょう。パワーハラスメントというようなレベルではなく、刑事的な事件といっていいものもあります。昔の学校の先生の中には、しごきや体罰として、このような行為をすることがありました。身体的攻撃をするのは、学校教育の影響もあるのかもしれません。
脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言などで、傷つける行為をさします。「バカ」「アホ」というような単純な言葉から、身体的な特徴をからかう言葉、「やめてしまえ」「一緒に働きたくない」といった発言があります。発言内容は、こどものいじめとほとんど同じです。
隔離・仲間外し・無視といったものです。別の部屋で作業をさせられたり、回覧を回してもらえないといったもの、忘年会や懇親会に誘ってもらえないといったものもあります。人間は社会からの孤立に弱く、このような切り離しは、かなりストレスを与えています。
業務上明らかに不要なことや、能力的に明らかに困難なことを要求することです。よくドラマでも見るパターンですが、上司や先輩が、新人(ドラマの主人公)に無理難題を吹っ掛けることです。ドラマでは救世主が現れますが、パワハラが行われるような状況では、誰も助けてはくれず、追い詰められてしまいます。
仕事を与えないことなどです。仕事がないのは楽ではありません。何もすることがないのは、ストレスがかかります。特に周囲が忙しいと、自分は何も役に立たないと感じてしまうので、とてもつらい時間となります。
その人のプライバシーについて、執拗に尋ねたり、また知りえた秘密を軽々しく話したりすることです。結婚や交際相手のことなど、軽い冗談やコミュニケーションのつもりで尋ねる人もいるようです。特に男性上司の方は、女子社員に対しての発言は注意してください。
以上のようなことは、何気なく行っている場合もあります。一度振り返ってみてください。