うつ病の回復過程③

休養をはじめ、だんだんエネルギーがたまってくると、退屈になります。その後、気楽なことならできる状態になっていきます。このくらいの状態になると、かなり症状は少なくなってくるので、「治ったのではないか」と思うようなこともあります。すると、つい無理をしてしまい、エネルギーが少なくなり、また症状が出現するということが起こります。

 

この時は、「治ったと思ったのに、またしんどい」と感じてしまい、落ち込みやすくなります。このようにいい時と悪い時が交互に来る状態は、気分の波が激しく、不安定になる傾向があります。まだエネルギーが不足していて、やりすぎただけと割り切った方がいいでしょう。もし疲れてしんどいと感じても、またゆっくりと休養をして、エネルギーを回復させることに専念しましょう。

 

だんだん回復する時間が早くなり、やがて疲れても次の日には回復できるようになるでしょう。回復力がついて来たら、徐々に仕事に向けて、リハビリ的な取り組みをしていく時期になったと思われます。

 

中にこのくらいの状態ですぐに復職を目指す人がいますが、あまりお勧めはできません。仕事はいくら制限したとしても、ストレスがかかるものです。決まった時間に起きる、しんどくても横になることはできない(短時間勤務でも、その時間は働く時間であり、賃金は発生する)、混雑を伴う通勤など、どれも大変なことばかりです。

 

これらに耐えて、疲れたとしても次の日には回復できるようになっていかないと、安定して働くことはできません。安定して働くためには、それなりの準備をしたうえで復帰したほうがいいでしょう。