労働者の60.9 %は、仕事でストレスを感じています(平成24 年労働者健康状況調査より)。そして41.3 %の労働者が、職場の人間関係にストレスを感じており、これが一番のストレス要因となっています。もちろん過重労働など、仕事の量や質で苦しんでいる人がいます。
しかしそのストレスも、普段の人間関係がいい中では、「上司や仲間のために頑張ろう」という気持ちになります。また周囲とのコミュニケーションが取れているので、あまりに大変な時は支えてもらったりすることができています。また心配して休みを取るように、進言してもらえることもあると思われます。
いい人間関係は、仕事の大変さを包み込んでくれるクッションであり、また乗り越えようとする原動力にもなります。 一方人間関係が悪い中では、自分一人が頑張っているような感覚、この大変さをわかってもらえないという感覚、場合によっては自分を陥れようとしているのではないかというような被害者意識が芽生えます。このような気持ちで、ずっと頑張ることはできません。
このように職場の人間関係は、とても大事なものです。その人間関係をこわす一番の要素は、上司からのパワーハラスメントです。ただこのパワハラは、非常に複雑で、いろんなものが入り混じっています。上司が特権階級の力をふりかざしているものもあれば、熱心な指導が行き過ぎてしまったものもあります。また部下の理不尽な要求で、パワハラだと騒がれている場合もあるでしょう。上司と部下のどちらにも非があるようなことも起こりえます。
そのためまずは状況把握が必要で、当事者と周囲から十分なヒアリングをすることが求められます。どちらにも言い分はあると思いますが、中立的な立場でヒアリングを行い、問題解決をしていかなくてはなりません。パワハラという訴えがある時点で、人間関係がうまくいっていないのは確実です。早急に対処が必要な状態であり、うやむやにしないことです。次回からは、パワハラについてお話しいていきます。