体調が良くなった状態から、働いても大丈夫という状態に持っていくには、徐々に仕事に慣れていくという段階が必要です。これはスポーツ選手がケガをした場合に、無理のない復帰スケジュールを組むのと同じです。復帰草々選手が100%の力を発揮しなくてはいけない状況になると、つい無理をしてケガの再発につながる可能性が高くなります。それは選手だけでなく、チームにとって大きな痛手です。
ケガの再発を防ぐために、最初は負担の少ないポジションで復帰して、徐々に負担を強めていく方が安全です。一般企業で取り組まれている方法としては、「リワークプログラム」「リハビリ出勤」「短時間勤務」といったものがあります。
リワークプログラムとは、復職をする前に、復職に耐えうる状態を作るための訓練プログラムです。公的機関や医療機関などがプログラムを主催しています(会社外でのプログラム)。プログラムに参加することで、出勤する時の生活リズムを作り、仕事の能力を高め、また病気の再発を防ぐ方法を学んだりします。
リハビリ出勤は、復職前に(会社によってはこの時点で復職という形になっていることもある)職場に出勤することを認めてもらい、徐々に職場に慣れていくという方法です。短時間の出勤から始め、徐々に会社にいる時間を増やしていきます。基本的には責任のある仕事はせず、正式な復職に向けての準備をすることが多いようです。
短時間勤務は、復職後すぐにフルタイム出勤とはせず、午前中勤務などから始めることです。1か月程度のスケジュールで、フルタイム出勤とすることが多いようです。復職という形を取っているので、仕事は与えられますが、短時間勤務に合わせて仕事量は軽減されています。
この様な方法を取り、少しずつ普段通りの仕事に戻るような工夫がなされています。ただ間違ってはいけないこととして、これらのプログラムに参加するには、症状はほとんどなく、体調が良くなくてはならないことです。体調が悪いのにこの様なプログラムに参加すると、症状が悪化することでしょう。