補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
当院で処方される漢方薬の中で、一番よく処方される薬です。
当院には、長くストレスと戦った結果、エネルギーの低下を来した患者さんが多く来院されます。この様な状態は、東洋医学では「気虚」と呼ばれます。そして消化吸収機能を向上させることで、全身の栄養状態や生体防御機能を回復させるタイプの漢方薬(補材)が処方されます。その代表が補中益気湯なのです。
補中益気湯があう人は、慢性的な疲労倦怠感、無気力、手足倦怠、食後に眠い、食事がおいしくない、熱いものを好む、動作が鈍い、話し方に力がない、目に勢いがない、寝汗や微熱などの症状があるのが特徴です。
またその他の特徴として、内臓下垂や免疫にも効果があるといわれています。風邪をよくひく人や、胃下垂の人などにもいいと思います。
あまり良くないかもしれませんが、長時間労働をして疲れが出た時に補中益気湯を服用して、その場をしのいでいる人もいます。「疲れが出たら補中益気湯」というのはいいのですが、長時間労働を改善しないと、もちろん根本的な解決にはなりませんね。