だいたい睡眠は何時間くらい必要でしょうか?睡眠は非常に個人差がありますが、平均的には7時間程度のようです。しかし働いている人に限ると、睡眠時間はかなり短いと思われます。おそらく6時間を切るくらいではないでしょうか。特に働いている女性は、家事の負担もあり、入眠時間が遅くなっているようです。
一方短時間睡眠が優秀で、長時間寝ると堕落しているような風潮があります。そのためか睡眠をないがしろにする傾向がみられます。「ナポレオンやエジソンは3時間睡眠であった」ということをよく言われ、サラリーマン向けの書籍には、短時間睡眠で能率アップというようなものもあります。その結果、1日のスケジュールを考えるときに、睡眠や食事の時間はいちばん後回しにされてしまいます。いろんな活動をして、残りが睡眠・食事という感じです。実際長時間労働の人は、食事や睡眠の時間を削ります。
しかし過重労働が原因で突然死する人もいますし、うつ病になる人もいます。過重労働の基準は、1か月で100時間(もしくは複数月の平均が80時間)以上の時間外労働ですが、このような労働習慣の人は、大抵睡眠時間が5時間を切っています。睡眠時間が5時間を切る習慣が続くと、心身への悪影響が見られます。睡眠の役割は、非常に大きく大切なものです。簡単に言うと、頑張るためのエネルギーをため、疲労を取り除き、頑張って傷ついた体を修復するという役割です。その大事な睡眠を十分とらないとどうなるでしょうか?エネルギーが少なくなり、疲労がたまり、体のメンテナンスができなくなります。
それだけではありません。疲れを残したまま働くことを続けると、だんだん仕事に集中することができなくなります。このような状態ではミスが起こりやすくなります。ミスが起こると、その後始末のために本来しなくてもいい仕事をしなくてはなりません。そうすると、また労働時間が長くなり、ますます睡眠時間が短くなるという悪循環が起こります。非常に効率が悪い働き方です。それどころか、あまりに大きいミスだと取り返すこともできません。睡眠不足が原因でおこった大きな事故は、非常にたくさんあります。チェルノブイリの原子力発電所事故やスペースシャトルチャレンジャー号の爆発事故が有名です。
睡眠不足で集中力がないまま仕事をするのは、自分の健康を害するだけではなく、大きなミスにつながります。睡眠時間を確保して、明日働く力をためましょう。またどうしても短くなってしまったら、どこかで取り戻すために時間を作りましょう。いくら忙しくても、それが近道なのです。