苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
当院を受診される方は、ストレスで体調を崩されているのですが、よく訴えられる症状の一つに「めまい」があります。もちろんめまいが起こった時に、真っ先に受診しなくてはいけないのは、耳鼻咽喉科です。特に急な難聴を伴っている場合は、急いで耳鼻咽喉科を受診すべきでしょう。しかし、原因がストレスとしか言いようのないめまいもよくあります。そのような時は、心療内科に紹介されます。
今回ご紹介する苓桂朮甘湯は、めまいによく使われる漢方の一つです。東洋医学では、水毒と気逆がめまいを引き起こすと考えられています。苓桂朮甘湯は、水毒に効果がある茯苓と朮(じゅつ)、そして気逆に効果があるという桂皮・甘草の組み合わせで構成されています。まためまいの特効薬とされる「連珠飲」という薬があるのですが、これは苓桂朮甘湯と四物湯(前回紹介)の組み合わせで構成されています。
その他にパニック障害にも使用されることがあります。この際には、甘麦大棗湯という薬と一緒にすることもあります。パニック障害には抗うつ薬が使用されることが多いのですが、抗うつ薬に抵抗のある方や副作用が多い方は、試してみる価値があるかもしれません。