四物湯

暑さ寒さも彼岸までといわれます。しかし関西では、お水取りが済んだら暖かくなるという方が、なじみがあるかもしれません。

 

お水取りは3月12日夜(正確には13日午前1時)に行われるのですが、東大寺二月堂で行われる「修二会(しゅにえ)」と呼ばれる行事(3月1日~14日に行われる)のクライマックスを飾る儀式です。一度は見たいと思いながら、寒さ、花粉症、混雑・・・。ハードルは高いです。

 

まだ寒さが残るので、今回は冷え性に使われる四物湯を紹介します。四物湯は、血虚と言われる状態に使われます。血虚とは、血の不足による栄養不良状態が全身に現れたもので、西洋医学の貧血とは少し違うものと思ってください。血虚の症状としては、顔や髪に艶がなく、爪がもろい、皮膚のかさつき、めまい、疲労などがあります。

 

冬であれば、しもやけなどにも四物湯は使われます。また四物湯は、他の漢方薬と組み合わされて使うことがよくあります。皮膚のかゆみなどに使われる温清飲は、黄連解毒湯という薬と四物湯をあわせたものです。まためまいには、苓桂朮甘湯と四物湯をあわせて使います。まさに漢方の名バイプレーヤーといったところです。

 

注意としては、地黄という成分が入っていて、胃もたれを起こしやすい点です。その場合は、胃腸にいい薬を一緒に服用したり、食後に服用するという工夫が必要となります。