前回怒りに対しての対処として、怒りでいっぱいになった自分のエネルギーを、怒り以外に置き換えて使ってしまうこと、いわゆる「ストレス発散」を紹介しました。今回は、怒りのエネルギーを作らないようにする方法について書いてみようと思います。怒りのエネルギーを作らないようにするためには、①怒りの対象について考えない②怒りが起こりにくい状態を作るということが有効です。
自分が腹を立てている時のことを思い出してください。おそらく、怒りの対象についてずっと考え続けていることと思います。そして考えていけばいくほど、どんどん怒りのエネルギーが増幅していきます。このことから考えると、怒りの対象から目をそらすことができると、怒りの延 焼は抑えられそうです。この時ただ単に目をそらしても、頭の中で考えてしまうと効果はありません。そうならないためには、何か別のもので置き換える必要があります。別の思考に置き換えるといいのですが、おそらく怒りのエネルギーが大きいので、すぐ怒りの対象に思考が向かってしまいます。むしろ「別の行動」に置き換えるほうがよさそうです。前回ご紹介したストレス発散法のような行動に夢中になることができると、自然と怒りから目をそらすという対処にもなっているのです。
次に怒りが強い時の体の状態を思い出してください。おそらく、体に力が入り、頭に血が上り、呼吸を止めているか、もしくは呼吸を激しくしているかだと思います。怒りという感情が、この様な体の状態を作っ ているのですが、同時にこの体の状態を続けると、より怒りが増幅しやすくなります。では逆に体をリラックスさせながら怒る事はできるでしょうか?一度実験してみてください。おそらく体に力が入らないと、怒っていても何か物足らない感じがすると思います。このように、リラックスしている時の体の状態を作ることが、怒りを鎮めることに役立ちます。今までにご紹介したリラックス法や腹式呼吸法を使ってください。またリラックス法に集中すること自体も、自然と怒りから目をそらす効果があります。
まとめると、とりあえず怒りの現場から離れて、体をリラックスする動作に集中してみてください。愛犬を連れて散歩に出かけるというのもいい案です。部屋にこもって好きな音楽を聴くのもいい でしょう。それでもなかなか怒りは収まらないかもしれません。でもそれはあなたが怒りを選択しているからでもあります。では怒りを選択するのが、得なのか損なのか次回考えてみようと思います。