うつ病の治療

うつ病の治療を考えていくとき、大きな柱が二つあります。一つは、うつ病のどの段階かを見極めるということです。今悪くなっている人か、回復してきて復職を前にしている人かでは、治療方法は変わります。

 

このあたりを区別せず、「うつ病の人に、頑張れと言ってはいけない」「うつ病の人は頑張ってはいけない」という公式を呪文のように唱える人がいます。もちろん急性期のうつ病の人は、頑張ろうにも頑張れない状態ですから、「頑張れ」とは言わない方がいいでしょう。しかし、復職を控えている人に「頑張るな」というのは無理な話です。ストレスのない復職などはありません。ストレスのない仕事もありません。だから仕事に戻る以上、否が応でも頑張らなくてはいけないのです。

 

ただ頑張ったあとは、非常に疲れやすいので、その分しっかり休んで、疲れを取っていく必要があるだけです。このように、時期によってアドバイスや治療法は変わってくるので、どの段階かを見極めることはとても大切です。

 

もう一つの柱は、治療方法を選ぶということです。うつ病の治療には、薬物療法、精神療法、復職に向けてのリハビリテーションなど様々な治療方法があります。薬物療法の中にも、SSRI、SNRIといった抗うつ薬はかなり多種存在していますし、抗うつ薬以外の治療薬を使う場合もあります。また薬以上に、認知行動療法などの精神療法も最近注目されていますし、そもそもどのように生活していくのかという生活指導的なアドバイスも重要です。

 

復職を前にして、リワークプログラムのような集団精神療法を企業自体が導入している場合もあります。これら多彩な治療方法を、どのように組み合わせていくかを考えていく必要があります。

 

では次回からは、うつ病の回復過程の段階を説明していきます。